ある相談員が、小学4年生の男の子から手紙で、「僕のお母さんに元気になってほしくてプレゼントをあげたいんだけど、お小遣いは329円しかありません。この値段で買えて女の人が喜ぶ物は何ですか?」という相談を受けました。その子の母親はガンで長く生きられないのですが、その男の子はその事実を知りません。その相談員は後日、男の子を連れてデパートに行きました。男の子はお母さんのことを心配しながらいろいろなことを話しました。「お母さんダイエットしてるのかな~? ご飯全然食べないし無理して笑ってるみたいなんだ。300円ぐらいでダイエットのやつ買えるかな? 靴買えるかな? お花買えるかな? でも枯れたら悲しいから、サボテンにしようかな? 手袋買えるかな? でも冬しか使えないよね・・・キャビア食べたいって言ってた! 買えるかな?」その子の母を思う言葉一つ一つに涙をさそいました。
「僕、靴にする!お母さんといろんな場所に行きたいんだ!」靴なんて、とても300円程度では買えません。相談員はその子がトイレに行っている間に靴売り場に行き事情を話して300円で買えるようにお願いしました。もちろん、後から足りない分は、その相談員が払うつもりでした。店員は快く了解してくれました。その子を連れて靴売り場に行くと、300円均一と紙に書いてありました。急いで作ったのか雑でしたが胸が熱くなりました。「これにする!」選んだのは白いヒールの靴でした。後で払おうとしたら「300円ですから、ちょうどです」と笑顔で言われました。感謝の気持ちで胸がいっぱいになったそうです。

今年一年間、表面には見えなくても様々な支えの中で生かされてきました。ある時には人を通し、仕事や出来事を通し、励ましや勇気が与えられました。指を折りながらこの一年の感謝を数えましょう。更に感謝の数が増えることを期待しつつ新しい年を迎えたいと願います。
「またその恵みをもって年の冠とされる。あなたの道にはあぶらがしたたる。」(詩篇65篇11節) 良い年をお迎えください✩