心温まる実話です・・・サーカスの入場券を買うために長い列に並んでいた夫婦と上は小学生から幼稚園ぐらいまでの8人もの子供たちを連れた大家族がいました。 外見的には、お世辞にも裕福そうとは言えない家族ですが、みんなきちんと列に並びとても微笑ましい雰囲気でした。サーカスを見るのは初めての様子で心待ちにしていたようです。嬉しそうにピエロやゾウの話しをしていました。しかしその家族にショッキングな事態が訪れます。チケット売り場の順番がきて「子供8枚と大人2枚ください」と言い入場券の合計金額が告げられると急に夫婦の表情が変わりました。告げられた金額のお金を持ち合わせていなかったのです。青ざめた表情の夫婦の後ろには、サーカスを心から楽しみにしている子供たちがいます。しかしその父親は、明らかに苦悩の表情を浮かべ「サーカスを見ることができないと、どうやって子供に告げよう」そんな苦しい胸の内が聞こえてきそうな状況でした。父親が子供に悲しい現実を打ち明けようとした、まさにその時、事の成り行きを見ていた後ろに並んでいた男性が、ズボンのポケットに手を入れました。そして、20ドル札を取り出し、なにげなく足元に落としたのです。そして腰をかがめてそのお札を拾い上げ、前に並んでいる家族の父親の肩を軽くたたいて、こう言いました。「失礼ですが、ポケットからこれが落ちましたよ!」大家族の父親は、その男性が何をしているのかを、すぐに察したようでした。その父親は、人から施しを受けるような人ではありませんでしたが、その時は、その男性の好意を、心から感謝して受け取りました。手を両手でかたく握りしめ、その目をじっと見つめました。唇は震え、目にはうっすらと涙をうかべています。「ありがとう。助かります」こうして、何事もなかったかのようにして大家族はサーカスを見る事ができました。

 私たちは毎日を当たり前のようにして生きているかもしれませんが、実は、私たちは生かされているのです。知らないところで、神さまの大きな愛と恵みの手が私たちを支えていることを忘れてはならないのです。