ホラティオ・G・スパフォードが作詞した讃美歌の中に、世界的に歌われている聖歌476番When peace like a river「やすけさは川のごとく」があります。1800年代に活躍した裕福な弁護士であり、実業家でもありました。彼には奥さんと4人の娘さんがおりましたが、その娘さんたちが船に乗って大西洋を横断しているとき、この船が別の船と衝突事故を起こして沈没して、娘さん全員を失ってしまうとういう大変辛い経験をしました。彼は奥様からこの悲報を電報で受け取りました。悲しみに暮れている奥さんに会うために、大西洋を横断する船に乗りました。丁度、彼の娘さんたちが亡くなった辺りを船が差しかかったときに、ジッと渦巻いている波を見つめているのを、その船の船長が気付きました。その夜に、「やすけさは川ごとく」の歌詞を作詞したのです。
 一番の歌詞は「安けさは川のごとく 心満たす時 悲しみは波のごとく わが胸満たす時 すべて 安し み神 共にませば」これは日本語訳でありますが、もう少し丁寧に訳すとこうなります。「川のような平和が伴うときもあります。また悲しみが海のうねりのように渦巻くときもあります。たとえ自分の運命がどのように見えたとしても、神様、あなたは私に「安らいでいなさい」と教え諭してくださいます。私の心は安らかです」
 
 時々、私たちは、自分の人生に起こる様々な重荷に潰されそうになります。それは、仕事のトラブルであったり、人間関係のストレスであったり、病気であるかもしれません。それらの問題は、とても大きく私たちの生きる気力を失わせる壁になっていることさえあります。しかし、私たちの運命が、どのように見えたとしても、神様のご計画は、私たちが考えているようなちっぽけなものではないことをスパフォードの詞を通して学び勇気づけられます。歌詞の中にある「すべて安し」とは、自分が基準であるならば、そうは思えないでしょう。でも、偉大なる神さまの手の中に自分は生き、動き、存在していることを信じることができるならば、そう思えてくるのです。キリストの平和がありますように!