フィリピン諸島には、大小さまざまな島があり、その中には無人島もあるそうです。その中にカオハガン島という東京ドーム1つ分ぐらいの面積の島があるのですが、何とその島のオーナーは日本人で、78歳の崎山さんという方だそうです。今から26年前に1千万円で購入したとのこと。しかし購入した当時から島民がすでに住んでいました。島のオーナーですから、そこから島民を追い出すこともできたのですが、それをしませんでした。そればかりか、ガンの手術費用のない男性には、自腹で手術代を出してあげ、生活力のない人たちに自給できるよう仕事をつくり、教育を施し、島のオーナーであるにもかかわらず、島民のために走り回る日々を送っておられるのです。
「どうして、あなたは島のオーナーなのに、そんな親切をするのですか?」という質問に、崎山さんはこう答えていました。「ある本に、このようなことが書かれていました。『土地は元々、人の所有ではなく神のものであって、我々は借りているにしかすぎない。借りている間に、それを良くして返すもの』と・・・だから、この島も自分の物ではなく神からの借り物。自分が借りている間は、この島を良くして返そうと思ったから」というのです。
 
 私たちの体も、家も、健康も、仕事も、経済も、すべて神さまからの借り物です。この地上における激しいレースを乗り越えていくために神さまが貸してくださっているものです。死ぬときには、全て地上に置いていかなければならないのです。「自分が働いて、努力して、切り開いて、儲けて生きているのだから、自分の人生、自分の好きなように生きてもいいのではないか?」と考える人は多いです。では、自分の好き勝手に生きて、どうしても乗り越えることができない壁にぶつかったら、その時は神に求めるのでしょうか? 勝手すぎると思います。神さまから貸し出されているものを、神さまのために用いて生きることが、この地上での本来の用い方なのです。そのような生き方からは、限界を感じることはありません。なぜなら神さまが保証してくださっているからです。