萩本欽一さんの息子さんは、なんと大学受験のための予備校に通い、いざ受験というときになった時に、「さあ、就職だ!」と叫んだそうです。欽ちゃんが子どもたちに言っていた「人と違うこと、また、やったことが無駄になるようなことをやれ」という言葉を実践したそうです。そんな面白い息子さんは、リフォーム会社に就職。しかし1ヵ月後に息子さんから家のリフォームを300万円ぐらいでやらせてもらえないかと電話がありました。彼はそれまで契約ゼロ。何とかするべく父親にすがってきたわけです。欽ちゃんは息子さんに「セールスマンとして失格だ! いい加減にしろ!」と怒りました。息子さんは下を向いてだまっていましたが、その後、欽ちゃんは言いました。「だけどな、そんなメチャメチャな話でも、『わかった』って言ってやるために親父ってのはいるんだよ」そして最後はリフォームを引き受けたとのこと。息子さんは、喫茶店でボロボロ泣いたそうです。実は欽ちゃん、最初は怒らずに優しく話して断ろうと思っていたそうです。それは何でも親がやってあげては、息子さんが成長できないから。
 子どもの無理なお願いを聞くのも親の愛、断るのも親の愛です。勿論、人間の親は完全ではないことを前提ではありますが、親と子の関係の中に、天の父なる神さまと私たち人間の関係を垣間見ることができます。愛は、無条件であり、基本、そこに存在しているだけでいい、という思いが根底にあると考えられます。もし子供や愛する人が原因不明の病気で寝たきりになってしまったとするならば、病室のベッドで横になっているその人は愛せないでしょうか? そんなことはないはずです。寝たきりでも、何も結果を残せなくても、何もお手伝いができなくても、愛しているはずです。何かをしてくれたときや、何かの結果を残したときだけ認めるのは“愛”ではなく“評価”です。愛は、無条件なのです。 
 天のお父さまの愛に感謝します! そしてお父さんにも感謝です!