毎年、年末になり振り返ってみて思うことは、色々なことがあったということです。震災、洪水、人災、疫病、テロ、戦争など、ありとあらゆる危機が私たちの周りに周期的に起こり、連日のようにして各メディアが現実を描写することによって、人々の中に恐れと不安を確実にインプットしている。勿論、危機管理はしなければならないが、毎日を恐れながら生きることに何の得になるだろうか? 偏ったマスメディアの情報しか仕入れることができない人たちの中には、不安症になったり、鬱になったりする人たちが多いという。残念で仕方がない。
 実は様々な不安は、今に始まったことではなく、どの時代も同じような危機や困難に直面している。それでも聖書は、いつも私たちに希望のニュースを伝えている。旧約と新約聖書の中に365回も「恐れるな!」という言葉が出てくる。これはただの気休めではない。天地宇宙を創造された神を信じる者に与えられる神の具体的な助けがある。私も何度、この言葉に勇気が与えられ、立ち上がることができたことだろうか。そして今もリアルな神の助けを毎日与えられていることを実感している。
 この世にある喜びや不安は一時的なものです。人は、一時的な喜びを求めて一生懸命になると同時に、一時的な挫折に一生立ち上がることができないかのようにして絶望してしまいます。しかしそれらは“やがてきたるべきものの影”にしかすぎません。私たちがキリストの前に立つとき、それは一時的なものとしてではなく、“永遠”のこととしてやってくるのです。そして神を信じる人たちには、“永遠の生命”が与えられ、そこには愛、喜び、平和、寛容、慈愛、善意、忠実、柔和、自制が伴います。そして信じる者はそこへ向かって進んでいるのです。
 イスラエルの民は、信仰の祖先であるアブラハムのときから今まで、神さまがどのように自分たちのことを顧みてくださったかを思い出しました。同じように、新しい年を迎えるにあたって、私たちもこの一年を振り返ってみましょう。指を折りながら、どんな小さなことでも、当たり前と思っていることでも、感謝してみましょう。困難に出会うたびに、神さまの誠実な御手があったことでしょう。それらを思い出すだけでも、すでに神から受けるべき祝福をすべて受け取っているのです。主の恵みを覚えていれば、私たちは常に前進することができます。よいお年を!