ウェストミンスター寺院の地下室には、次のような碑文が刻まれた英国国教会主教の墓がある。
何の束縛もない若かりし頃、想像は果てしなく広がり、私は世界を変えることを夢見ていた。ところが、年を重ね賢くなり、世界は変わらないことに気づいた。そこで、目指すものをもう少し近いものにして、自分の国から始めることにした。
だが自分の国も変わらなかった。
老年期に入り、私の願いは悲痛な思いに変わった。自分の国もだめなら、少なくとも、最も近くにいる家族を変えることにした。
だが、悲しいことに、これすらままならなかった。
今、私は死の床についている。なんと、今になって初めてわかったのだ。変えなければいけないのは、自分自身だったのだと。自分が変われば、家族も変わっただろう。
そして家族に励まされ支えられることで、国をよくすることもできただろうし、やがては世界を変えることすらできたかもしれなかったのだ。
作者不明
多くの人たちは、自分の回りを変えようと必死になっていますが、失望に終わります。なぜなら、他の人もあなたを変えたいと思っているからです。まず変えなければならないのは自分自身だということ。でも、それに気付いても、なかなか変えることができないのも事実です。「自分の最大の敵は自分」という格言にあるように、自尊心と自己愛に満ちている「自分」をどうしたら良いのでしょうか? 結局、神さまに行き着いてしまいます。私たちの創造主に繋がることによってのみそれが可能になるのです。「わたしはぶどうの木、あなたがたはその枝である。もし人がわたしにつながっており、またわたしがその人とつながっておれば、その人は実を豊かに結ぶようになる。わたしから離れては、あなたがたは何一つできないからである」(ヨハネ15章5節)