私たちは、自分たちが欲しいと願っているものを手に入れたら幸せになれるし満足することができると考えています。確かに一時的には嬉しいでしょうし、心は満たされるかもしれません。しかし人間の欲求は次なる刺激を求め始めます。向上するためにはハングリー精神が必要です。「今のままで満足していたら成長はない」と社会では教えられますが、「何のための成長なのか?」を問い直す必要はあると思います。戦後、日本は経済発展してきましたが、どこまでいけば満足できるのでしょうか? 「今」を幸せに生きることが大切なことだと思います。
 
 アメリカのカントリーミュージックで有名なリック・バンシェルトンは、TV番組でこのような話をしていました。
 「1990年前後から、大きな賞を4度も受賞してから、毎回出すアルバムは必ずベスト10入り、収入もうなぎ上りになりました。私は次々に入ってくるお金で、どこへでも行けるし、どんな物でも手に入るし、したいことは何でもできました。しかし、アルコール依存症になりました。次第に私生活は荒れていきました。家にも帰らなくなりました。そして家族も離れていきました。あの当時の私はそれだけの収入を得ていながら、いつも死にたいと思っていたのです。お金は悪いものではありません。しかしその使い方を間違うと人生を破滅へと導いていきます。物があふれていても幸せは心にはなかったのです。ある日、家族のいない家に久しぶりに帰りました。ソファーに座って、何気なくテレビのスイッチを入れると、キリスト教番組が放映されていました。ある牧師が礼拝で賛美を導いていて、それを聴いているうちに涙が溢れてきました。そしてこう祈ったのです。『主よ、私を助けてください。あなたに人生を委ねます・・・』その瞬間に、自分が変わるのがわかりました。救われたのです。クリスチャンであった妻も私が救われたなんて初めは信じませんでした。しかし、確かに私は変わったのです。そして私が確かに変化した様子を見て、家に戻ってきました。今までは自分の願いの実現のために生きていましたが、今は、神が願っておられることが私の願いとなりました。」