1860年代、米国シカゴにホレーショウ・スパフォードというクリスチャンの実業家がいました。彼の事業は大きな成功を収め、愛する妻、息子、4人の娘たちと幸せな家庭を築いていました。通っている教会においても大きな貢献をしていました。1871年。そんな幸せに満ちた彼の家庭に悲劇が訪れました。シカゴの大火事によって息子を失い、彼の事業にも大きな損害を受けました。しかしそんな状況に追いやられたにもかかわらず、彼と妻は大火によって被害を受けた人々のために財と時間を費やし捧げ、多くの人々に助けと励ましを与えました。ある時、彼と家族はヨーロッパで休暇を過ごすために汽船を予約しますが、スパフォードだけが仕事の関係でやむなく別の便でヨーロッパに向かうことになりました。先にヨーロッパに向かった彼の妻と娘たちを乗せた汽船は航海中に船と衝突し、妻は救助されましたが、娘たちを全て失いました。スパフォードはその悲報を受けて妻の待つヨーロッパに向かい、航行中の汽船のデッキから娘たちを呑み込んだ海を、深い悲しみの中で見つめていました。そんな悲しみに打ちひしがれた彼の心を誰も慰めることは出来なかったでしょう。しかし大海原を見つめるスパフォードの心を驚くほどの平安が包み込み始めました。「愛する娘たちとは再び天国で必ず会える!」その慰めを直接神さまから与えられました。そしてその時に書き記した詩が、教会で愛される讃美歌となったのです。
 安けさは川のごとく 心 浸す時 
悲しみは波のごとく わが胸 満たす時 
全て 安し み神 共にませば     (聖歌476番)

先日、中学以来の同級生数名と33年ぶりに再会しました。とても懐かしく走馬灯のように昔がよみがえりました。でもあと何年か、何十年かすれば必ずこの世を去ってお別れする日がくるのは避けて通れない現実です。この地上で再会できても、もし天国で再会できなければ、それこそ本当に悲しいことです。主よ、友と天国で再会できますように!