エン・グルデルはアメリカの心理学者です。口唇裂で生まれた彼女は、いつも劣等感に悩まされていました。今は簡単な手術で矯正できますが、エンが生まれた当時は、それは大変なことでした。エンはうつ病に悩まされ、いつも両親を恨みました。すると両親も友人もエンを避けるようになり、結局彼女は、世のすべての人が自分を嫌っていると考え、誰も自分のことは愛してくれないと思っていました。
 ある日、学校で聴覚の検査がありました。それは、教室の中に仕切りを設けて、仕切りの向こうにいる担任の先生が言う言葉をそのまま繰り返して、どれほど正確に聞けるかを調べるテストでした。たとえば、先生が「今日は天気がいいよ」と言って、それが聞こえたら、そのまま繰り返すのです。ところがエンの順番になると、先生は他の生徒たちに言った言葉とは全く違う言葉を言いました。「あなたが私の娘だったら良かったのに」この言葉に驚いたエンは、先生の言葉を繰り返す代わりに、「先生、本当ですか?」と尋ねました。エンが言った言葉の意味を見抜いた先生は、「そうよ。本当にあなたが私の娘だったら良かったのに」と言いました。そしてその言葉によって少女の人生が変えられたのです。
 世の中は、人の存在価値を見失わせるような価値基準や社会構造によって成り立っています。自分の存在価値を維持するために、必死になってノルマを達成し偏差値を上げる努力をします。基準に達すれば評価され、そうでなければ切り捨てられてしまう、そんな社会の中で、選ばれる人たちは、ほんのひと握りの人たちしかいないのです。人はみな苦しみもがきながら生きています。
 しかし、朗報です! 世の基準ではなく、天の基準で私たちを見つめ続けておられる方がいらっしゃいます。それはあなたに何ができる、できないかではなく、ただあなたという存在に対して「あなたがわたしの息子、わたしの娘だったら良かったのに」とおっしゃっておられるのです。神はあなたを無条件で愛しておられるからこそ、ひとり子キリストを地上に贈って罪の贖いをしてくださいました。信じた方がお得です。