動物が大好きな少年がいました。いつも近くのペットショップに出かけては買うわけではありませんが、外の窓越しに見ていました。ある日、大好きな子犬が6匹入荷したようで、たまらず少年はお見せのご主人に聞きました。「おじさん、この犬いくら?」「2万円だよ」「2万円もするの・・・」財布を見てもだいぶお金が足りません。ペット屋のおじさんが、一匹一匹、丁寧にお店に入れるのを見ていますと、どうも一番最後の6匹目の犬の左の後ろ足が短いのか、バランスを崩していました。少年は「おじさん、この犬いくら?」おじさんは言いました「あ~この犬は君が買ってくれるのなら半額にしてあげよう」しかし少年はニコリともしませんでした。「よし、それならただでいいよ」すると少年はさらに顔を曇らせて言いました。「おじさん、ただはダメだよ」「じゃ、半額にしておこうか?」「半額もダメだよ。この犬は定価で売らないとダメだよ。2万円で僕が買いたい」と言い出しました。おじさんは「いや・・・これは足が悪いんだから、商品としては価値がないんだよ。ただでいいって言ってるじゃないか」「おじさん、これから僕、お父さんにお金もらってくるから、この犬、絶対、誰にも売らないでね」少年は家に帰って、お父さんを説得して2万円をもって来ました。お店のおじさんは、2万円出されても「じゃ~半分でいい」と言います。しかし少年は「2万円で買いたいんだ」と言って、後ろの左足の少し短い犬を、本当に宝物を抱えるようにして家に持ち帰りました。「奇妙な客だな~ あの犬は売れないと思っていたけど、ありがたい」と思いながら、その少年の帰る後ろ姿を見て、ハッとしたそうです。「今まで何年も顔は見てたけど、そうだったのか、あの少年の左足も少し短いんだな・・・」少年の歩く姿を見ていると、ペット屋のおじさんは、ハッキリそうだとわかりました。
 私たちは、自分の価値をどのように決めてるでしょうか? この世の中の評価で自分の価値を決めてはいけません。私たちを創造してくださった神が決めるものです。映画の中の主役も通行人Aや通行人Bによって引き立てられているのです。主にとってはすべての人が主役です。