以前、B&Bという漫才コンビがいましたが、その一人は島田洋七といいます。島田さんのお父さんは、彼が2歳のとき、広島の原爆のため死去。そのためお母さんは、夜、お店で働き、二人の子どもを育てました。しかし、訳あって、島田さんは小学2年生のときから、佐賀のおばあちゃんに預けられます。このおばあちゃんは、「がばい(すごい)ばあちゃん」でした。彼女は夫に先立たれ、貧乏のどん底暮らしの中、学校の便所掃除の仕事をしながら、7人の子どもを立派に育てたおばあちゃんです。このおばあちゃんは、貧乏ですが、底抜けに明るく、前向きでした。例えば、島田さんが見るも無残な通知表を、おばあちゃんに申し訳なさそうに渡した時の会話・・・「ばあちゃん、1と2ばっかりでごめんね・・・」「大丈夫、大丈夫。足したら5になる!」「えっ?! 通知表って足してもいいの?」「人生は総合力!」そうキッパリ言い切るおばあちゃんだったそうです。
 物事を見る視点を変えたら、違う世界が見えてくるものです。私たちの人生にも同じことが言えるかもしれません。現実から、今ある問題を見ると、到底受け止めることができない大きなものに見えても、天地宇宙を創造された神さまの大きさと比べるならば、比べ物にならないほど、その問題が小さく見えてきます。
 イエスさまの弟子たちが、5つのパンと2匹の魚を手にして5千人の人々を前にして言いました。「これだけで5千人を養うのは無理です。環境が悪すぎます! もう時間がありません。手遅れです! 私たちには問題が大きすぎます!」とイエスさま訴えました。それが現実における限界であります。しかしイエスさまは何とおっしゃったでしょうか?「5千人に対して、どうにもならないクズ同然のものを私の元に持ってきなさい」 そしてそれがイエスさまの手に入った瞬間から、不思議が起こり5千人全員が食べて余るほどの奇跡がなされました。私たちの弱さや欠点を、イエスさまの元に持って行くのです。山も下から見上げるのと、頂上に登って見下ろすのとでは、随分と景色が違うものです。